インスタント作品⑨「女郎クモの巣」


立派なクモの巣があり、これまた丸々とした女郎クモがいた。
これは、煙草を吸おうと家の軒下に行った時のことで、前に来た時はいなかったと思うのだが、いつの間にか巣を作り陣取っていた。
目の前で見ると、とても見事に思え美しく感じた。
8本の腕が対照的に伸びて腹に黄色と黒色の縞模様がある。
人差し指でちょんと触れてみると巣の向こうへと逃げていった。
8月の初旬、煙草を吸う。
女郎クモは巣の中央にどっしりと構え、巣の至る所に虫がついており、トンボまでくっついていた。
これは人間と同じなんだなと思ってしまった。
魅力あるものには群がるのかもしれない。
艶やかさには魅力がつきもので、いっそのこと向かいたい気持ちになり罠にはまる。
立ち上がり引っ掛かりそうになったーーいや、巣がそこにあるからかーー
危なかった。
8月の中旬、アイスを食べるために軒下へと向かうと女郎クモはいなくなっていた。
どこに行ったんだろうと探し、下を向くと落っこちていて死んでいた。
アリが群がり、腹から体液が流れていた。
何があったのだろうと思ったのだが、自分も注意していかないといけないと思ってしまった。
何かの拍子に風が吹き、追い風となり落っこちる。
別の所に2匹のクモがいた。
その巣には、何もかかってはいなかった。

2026年5月10日 牛島好英(jimayosh)