インスタント作品⑭「さがす」


あの日、猫を夢中になって探したんだ。
その猫は、飼い猫のミーちゃんで初恋の相手が飼っていた錆色の猫だった。
学校に行く途中に家があり、通路沿いからよく姿を出していた。
手を叩くと尻尾がぴょんと上がるキレイですらりとして可愛かった。
その日、家から出たと相手が言うものだから一緒に探した。
家の周辺から、近くの神社にまでキャットフードを袋に入れて探し回った。
相手も焦っており、みんなで声をかけて探した。
夕暮れになり、辺りも暗くなると一層寂しさが募ってきた。
そうすると「やーめた」と言って初恋の相手が急に冷めてしまったんだ。
「首輪も取れているし、わかるわけないよ」と言って、急に飼い猫に対して、諦めがついたのか冷たく冷静になった。
そんなものなのかと恐怖を感じたが、自分までも諦めかけた。
翌朝、自分はもう一度探した。
至る所、行けるところは行くようにして声をかけて歩いた。
遠くの方で声がするので向かうと飼い主がいた。
家族だからと言って一生懸命になり探していた。
ペットは家族という事だ。
一緒に過ごすと情は生まれてちょっとやそっとで見過ごすことはないと思う。
迷い猫のポスターを作って至る所に貼らせてもらった。
功を奏し警察を介して無事に家へと戻っていった。
飼い主は特にうれしそうだった。
時が経って、今私は職を探している。

2026年6月9日 牛島好英(jimayosh)